食養療法では、『身土不二』(暮らす土地の旬のものを食べること)と、『一物全体』(自然の恵を残さず丸ごといただくこと)という2つの原則があります。

 ・身土不二(暮らす土地の旬のものを食べること)
人間も植物も生まれた環境と一体という意味です。
 例えば、熱帯地域でとれるフルーツには体内の熱を下げる働き、寒い地域でとれる野菜には体内を温める働きがあり、四季のある日本では、季節ごとの旬の食材を摂ることで、からだのバランスが取れる、という考え方です。

 ・一物全体(自然の恵を残さず丸ごといただくこと)
ひとつのものを丸ごと食べるという意味です。
 食材そのものは丸ごとでバランスが取れており、穀物なら精白していない玄米、野菜なら皮や葉にも栄養があり、全てを摂ることでからだのバランスが取れる、という考え方です。

 陰陽調和の考え方でも中庸である玄米は、食養療法の基本です。玄米のヌカ層や胚芽にはビタミン、ミネラルなどの栄養素が多く含まれており、食物繊維も豊富なため、腸の働きがよくなります。
 主食を切り替えることは大変に思うかもしれませんが、スタートは毎日でなくても少しずつ玄米を取り入れてみてはいかがでしょうか。炊くのが大変な方は、レトルト玄米ごはんを茹でて活用するなど、気軽に始めてみましょう。