歯列矯正後に来院される方が増えてきた?

 最近気のせいか?歯列矯正治療後の不定愁訴で来院される方が多くなってきた。歯列矯正の目的は、やはり大多数の人が、その見た目の改善にあるからだ。

 より早く、より安く、より見た目重視の結果であろう。 そこには、需要と供給の落とし穴が明確にある。医療ではなく、医業の結果と言えよう。

対症療法のオンパレード

 現実、対症療法のオンパレードになってしまう。何故?そのような歯並びにならざるを得なかったのか?ましてや、その歯列不正の原因が、口腔内ではなく体幹にあるということになったら、依頼者も術者も、お互い諸手を挙げて降参してしまうだろう。

 例えば、八重歯が片方にしかない人は、少なくともお口とお身体の中心にズレがあるのは明確である。そんな中、歯並びだけに着眼して、さらに中心をずらす結果になってしまう。

 良くあるのが、歯列が整い始めた頃に、
「上顎と、下顎と、頭蓋の中心が一致していないので合わせておきましょう!」とするパターンだ。この回転運動が、骨体、顎関節、頭蓋骨、頸椎・・・体幹に対して何が起きているのか?容易に想像できると思う。

 顎関節は股関節と密接に関係している。頸椎も4番を横隔膜として全身と対応関係にある。実際、頸椎にねじれが顕著に表れ、不定愁訴となる。ちなみに、正中線は人工的にそろえる物ではなく、結果的にそろう物である。