ほんの10数年前頃までは、姿勢を良くするよう一言伝えれば、大概の方は自分自身で背筋を伸ばし、姿勢を正すことができたように思います。

 しかし近年は、「姿勢を良くしてください」と伝えても、自分で姿勢を正すことができない患者さんが非常に多くなってきました。「頭が前屈し、肩が前方に出て、背中が丸い」といった「姿勢が悪いパターン」に当てはまることが多いようです。
 そのために、噛む・飲み込む・発音する・呼吸するという基本的な運動が正しくできない状態になっているのです。

 姿勢が悪くなる原因は、以前から指摘されていた内臓疾患、呼吸法、運動不足に加え、スマホ、ビデオゲーム、パソコンなどを長時間使用する機会が増えていることと関係していると思われます。

 これらを日常生活の中から完全に排除することは現実的ではありません。従って、何らかの方法で身体に生じた歪みを正すことが必要となります。そこで当院では、噛み合わせ治療をする上での大前提となる全身のバランスを正していくことに取り組むようになったのです。