実は、誰もが日々の生活の中で、その人にとって一番バランスの摂れた噛み合わせの状態を、体験しています。

 例えば、お煎餅、其れも歯に粘り着く様なものを食べてみて下さい。最初は何時も噛んでいる方でしか噛めませんが、噛んでいく内に歯に煎餅がこびり付き始めると、いつの間にか反対側の何時も噛みにくい方で噛んでいることに、気付かれたことは有りませんか?

 此の事を利用して、煎餅が歯にこびり付く量に変化が無くなるまで、普段、噛みやすい方、噛みにくい方交互に噛み続けて下さい。変化が認められなくなった状態で、今度はぐっと噛み締めて下さい。その時の、筋肉の状態を顎の両方の鰓(えら)の部分に手をあてがい感じ取って下さい。普段では感じ取れない筋肉の力強さを体験できると思います。ちなみに、此の状態で20回位噛み締めてみて下さい。噛み合わせが原因と考えられる諸症状(肩凝り、頭痛、腰痛、耳鳴りなど)に変化が見られると思います。

 そうです、この状態が貴方の理想咬合平面です。此の上顎歯列と下顎歯列のラインを参考に補綴処置(銀歯)、矯正(歯の挺出)をもって処置されるのが身体には優しいのではないかと思います。

 特に現代人は顎の上下(高さ)の成長に劣っています。まずは実体験してみて下さい。顎関節症の人も、もしかしたら、此により顎の開閉時の音、痛みに変化が表れるかもしれません。但し、くれぐれも、痛いこと、無理矢理動かしたりはしないで下さい。