銀歯を入れるときに良く聞かれることがある。
「カチカチ噛んで下さい。高くないですか?」
…何故か「低くないですか?」とは聞かれない。

 余りにも高いときは、はっきりと「高いです。」と言えるものの、何回も此を繰り返されると、微妙な高さの感覚は、最初の状態が高いが故に何だか合っている様な気がしてくる。この状態で、セメントで合着されるはいいものの、やはり多少なりとも違和感が残る。

 終わり際に「2,3日すると慣れますから。」此の一言でその気にさせられ、歯科医院の扉を後にする。その日は1日違和感があるものの、翌日、翌々日と確かにそれは薄らいでいく。

 言われた通り2,3日で慣れてくる。
これは銀歯が低くなってくれたのだろうか?
 それとも骨が歪みながら、歯が捻れながらその位置に合わせてくれたのだろうか?

 身体の仕組みが、そこに隠されているような気がする・・・。

銀歯に潜むワナ